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文部科学省の来年度予算案では、「イノベーション25」や「新健康フロンティア戦略」「革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」の推進費用として、682億8100万円(対前年比2.8%減)のライフサイエンス関係予算を計上した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究を支援するプロジェクトや、オーダーメイド医療の実用化などに充てる。また、大学をイノベーション創出の原動力と位置づけ、産学官が連携して特色ある教育や研究を行っている大学を支援する体制も整える。
08年度の予算総額は5兆2739億円で、今年度より33億円、0.1%の増額となった。
中でも、iPS細胞の研究支援を目的とした「再生医療の実現化プロジェクト」は、当初内示額の10億円が、大臣復活折衝により22億円に増額となった。
大臣折衝後に会見した渡海紀三朗文部科学大臣は予算確保のため、「この研究は世界の最先端を走っており、これを加速することによって、世界の人々に貢献できるすばらしい技術だということを主張した」と話した。戦略的な研究を進めるため、「iPSコンソーシアム」(仮称)を作り、「オールジャパンの研究体制を整える」考えという。
個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクトには、27億9400万円を新規に計上した。東京大学医科学研究所のバイオバンクに収集された患者のDNAサンプルを用いて、一塩基多型(SNP)を解析。それらのデータを活用し、疾患関連遺伝子研究を推進させる。
また、07年度からスタートした「がんプロフェッショナル養成プラン」には27億5500万円を用意した。癌専門医をはじめ、癌に特化した看護師、薬剤師などを育成する大学を支援する。
産学官連携の戦略的な展開には7.4%増の227億9600万円(07年度212億2100万円)を計上。中でも、イノベーション創出のため、産学官が連携して、特色ある教育プログラムや研究を行う大学を支援する新規事業「産学官連携戦略展開事業」には、28億1900万円を充てる。
大学病院と地域医療機関が連携して医師を養成するシステムを再構築するため、新規事業として立ち上げる「地域連携型高度医療人養成推進事業」には、復活折衝で15億0400万円が認められた。
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