薬事・食品衛生審議会血液事業部会は10日、「献血推進のあり方に関する検討会」がまとめた最終報告書について意見交換した。報告書では400mL全血献血の17歳男性年齢下限拡大や、血小板成分献血の男性に限っては69歳までとする上限年齢拡大を提言している。部会では、報告書にまとめらた年齢拡大を、基本的には了承したものの、次回以降の議論で、安全性確保の具体的な方策を検討することになった。
最終報告書で提言されたのは、(1)400mL全血献血(2)血小板成分献血採血基準(3)採血基準項目における血液比重または血色素量?年間総採血量、採血回数、採血間隔および男性の血色素量最低値””の各項目。
400mL全血献血については、17歳男性年齢下限拡大は可能と考えられるとしている。ただし、献血者の安全を確保する観点から、採血前後のリスク管理を徹底するなど、献血副作用の防止策を万全にすることが必要だと指摘している。特に、初回献血者は、複数回献血者と比較して、献血副作用の発生率が高いデータも得られており、初回献血時のリスク管理を徹底すべきとした。
血小板成分献血については、上限年齢について、男性に限り69歳までの拡大が可能であると提言された。採血基準項目については、当分の間、採血基準は原則として「血色素量」とするが、危機管理上「血液比重」で代替することも可能と提言された。
男性の血色素量最低値に関しては、献血者の安全性を考慮すると、現状の採血基準から0・5g/dL引き上げることが妥当とされた。
提言を受けて行われた意見交換では、上限年齢・下限年齢拡大のいずれにおいても「献血者の安全確保が最重要」との認識で一致した。献血年齢拡大については、基本的に了承されたものの、次回以降の議論で、安全性を担保するためにどのような準備で進めていくべきか、具体的な方策を議論することとされた。