日本看護協会(久常節子会長)は、2006年度(第14回)認定看護師認定審査を実施し、合格者757人を新たに認定したと発表した。受験者数は783人で合格率は96・7%だった。これにより認定看護師は2000人を突破し、合計17分野2486人となった。
今年度は、[1]訪問看護[2]乳がん看護[3]摂食・嚥下障害看護[4]小児救急看護[5]認知症高齢者看護””の5分野で、初めての認定者が誕生した。新たな5分野に、これまでの救急看護や糖尿病看護、重症集中ケアなど12分野を加えて合計で17分野になった。
新たな5分野の認定看護師に求められる知識と技術は次の通り。
▽訪問看護:「主体性を尊重したセルフケア能力の向上のためのケースマネジメント」、「医療ニーズの高い在宅療養者・障害者への看護技術・知識の提供と指導」、「在宅ケアチームの形成と地域のケア能力を推進」
▽乳がん看護:「乳がんの集学的治療及び治療に伴う副作用に対するケアとセルフケア確立に向けた指導・相談及び意思決定上の情報提供」、「リンパ浮腫予防、症状緩和についての看護技術提供と指導」、「ボディイメージの変容、心理・社会的問題に対する相談・支援」
▽摂食・嚥下障害看護:「脳神経・筋骨格系フィジカルアセスメント及び摂食・嚥下機能評価法に基づいた摂食・嚥下機能の評価」、「適切かつ安全な摂食・嚥下訓練の選択、実施と具体的指導」、「他職種と協働し、チームで摂食・嚥下リハビリテーションを推進」
▽小児救急看護:「救急時の子どもの病態に応じたアセスメント及び症状マネジメント、救命処置技術の提供」、「子どもの非言語的サインの理解及び適切な心理的ケアの実施」、「育児不安や虐待への対応と子どもと親の権利擁護」
▽認知症高齢者看護:「認知症高齢者の権利擁護と意思表出能力を補完」、「認知症の周辺症状を悪化させる要因へ働きかけ、行動障害の予防・緩和」、「認知症の状態把握を含む高齢者の心身状態の総合的なアセスメントとケア実践及びケアサポートシステムの立案」
認定看護師制度は、高度化・専門分化が進む医療現場における看護ケアの広がりと看護の質向上を目的に、95年に日看協通常総会で承認され制度が発足した。96年に教育が始まり翌97年に初めて認定看護師が誕生してから、今年で10年目となる。現在では教育機関も18機関に増え、診療報酬でも技術が評価されるなど社会的な評価も高まり、認定者数が毎年大幅に伸びている。