2008年度の全国の私立薬大(薬学部)の初年度学生納付金平均額は232万4444円で、07年度に比べ1・2%増えた。文部科学省が行った「私立大学等の08年度入学者に係る学生納付金等調査結果」から明らかとなったもの。07年度は、薬学部6年制のスタートや新設校の増加なども絡んで、初年度納付金は大幅に減少したが、08年度はその落ち込みから回復した格好だ。
調査は、日本私立学校振興・共済事業団からのデータをもとに、文科省がまとめたもの。調査対象は、全国の私立大学560校、私立短期大学357校、私立高等専門学校3校。調査項目は▽授業料▽入学料▽施設設備費▽実験実習費▽その他――の5項目。
その結果、08年度の薬学部の初年度納付金平均額は、07年度の229万6090円と比べ、2万8354円(1・2%)増加した。増加したのは、授業料(5・0%増)と実験実習費(11・1%増)で、入学料(1・6%減)や施設設備費(4・3%減)、その他(21・2%減)は減少した。
初年度納付金平均額は、04年度248万7594円、05年度252万2239円、06年度260万8785円と増加傾向が続いていたが、07年度は229万6090円と大幅に減少した。07年度は薬学部6年制がスタートし、受験者が落ち込んだことが報告された翌年にも当たる。それに、5薬系大学(薬学部)が新設され、当初より26校も増加するなど過当競争の影響も考えられている。
08年度は対前年度比1・2%増だったが、初年度納付金平均額は過去5年間では2番目に低く、今後、再び増加傾向に転じるのではないかとみられる。