厚生労働省は3日、「第94回薬剤師国家試験」の合格者を発表した。受験者1万5189人(前回1万2112人)に対し、合格者は1万1300人(1万0487人)で、昨年に引き続き1万人を上回った。合格率は、昨年より2ポイント程低い74・40%(76・14%)、新卒者の合格率は84・83%(86・30%)だった。最も合格率が高かったのは、新設で今年初めて受験者を輩出した愛知学院大学の96・21%。合格率が9割を超えたのは、同校を含め祟城大学、九州保健福祉大学、同志社女子大学、広島国際大学、金城学院大学の6校で、全て新設大学が占めた。
試験は3月7、8の両日、東京、大阪、愛知など全国8カ所で実施された。1万7501人の出願者がいたが、受験者は1万5189人で、2312人が未受験だった。
合格者数を男女別にみると、男性は受験者6874人に対し合格者4830人で、合格率は70・26%(前回72・22%)、女性は受験者8315人に対し6470人で、77・81%(79・30%)だった。前回と比べると、男女とも2ポイント程度減少した。
「新卒」「その他」の区分で合格率をみると、新卒受験者1万733人のうち合格者は9105人で、合格率は84・83%(86・30%)。既卒者などその他は、4456人に対し2195人で、合格率は49・26%(48・96%)だった。
大学の設置主体別では、国立は受験者1606人に対し合格者1093人で、合格率68・06%(72・05%)。公立は453人に対し326人で71・96%(76・12%)。私立は1万3114人に対し9878人で75・32(76・80%)だった。
大学別の比較では、合格率が90%台に達した大学が6校に上り、高い順に、[1]愛知学院大学(96・21%)[2]祟城大学(94・96%)[3]九州保健福祉大学(94・78%)[4]同志社女子大学(92・97%)[5]広島国際大学(92%)[6]金城学院大学(91・41%)で、上位6校のうち4校を、今年初めて受験者を輩出する大学が占めた。
合格率が低かった大学は[1]第一薬科大学(32・23%)[2]京都大学(52・89%)[3]東京大学(53・33%)[4]日本薬科大学(58・73%)[5]大阪大学(60・16%)だった。
なお、厚労省は合格者発表と合わせ、国家試験の合格基準と正答も公表し、ホームページに掲載した。配点は1問2点で480点満点。合格基準は▽問題の難易度を補正し、計算して得た総得点312点(65%)に対応する実際の総得点(試験ごとに異なる)以上の得点者▽各科目の得点が全て35%以上――という2つの条件を満たす者とした。
また、基礎薬学の問42、医療薬学の問145、問208で不適切な記載があり、正解となる選択肢がなかったため、全員を正解とした。