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臨床現場での遺伝子検査‐標準化が必要

2006年08月11日 (金)

 検体採取から保存、結果報告に至るまで、遺伝子検査結果に影響を及ぼす要因は多いが、精度管理も含め標準化されたものがほとんどないのが現状。先に開かれた第13回日本遺伝子診療学会で日高恵以子氏(信州大学病院臨床検査部)は、「遺伝子検査における標準法の確立を進める必要がある」とし、検査担当者の能力によっても検査結果に差が出ることが考えられるため、「人材育成も含めた幅広い標準化を図るべき」だと訴えた。

 臨床検査の中で遺伝子検査が行われるようになって十数年が経過したが、最近では核酸定量法の開発など、新たな解析法の登場に伴い、遺伝子検査の臨床的有用性が高まり、検査項目も増加しつつある。日本臨床衛生検査技師会が2002年に行った遺伝子・染色体検査に関するアンケート調査では、回答を得た1458施設のうち、302施設(20.7%)で遺伝子検査が実施され、保険適応の感染症遺伝子検査が中心に行われていた。

 ただ、遺伝子検査は、市販の検査試薬キットを用いる感染症遺伝子検査以外のものは、標準的な検査方法が定められておらず、どのような検査項目をどのような方法で検査するかについては、それぞれの検査室の判断に委ねられているのが現状。

 遺伝子検査は、まず検体を採取した後に検体保存、核酸抽出、さらに遺伝子増幅を行ってターゲットとなる遺伝子を検出し、報告書を作成するという手順を踏むが、こうした一連の過程の中で、様々な種類の検体をどのように扱い、どのような検査方法を選択するか。また、標準物質に何を用いるのかなどについても、標準化されたものはほとんど存在していないのが実情。

 そのため、日高氏は「診断・治療に有用な正しい検査結果を提供するには、広くコンセンサスの得られる標準化された遺伝子検査法を確立していくことが大事」だとした。

 さらに、検査担当者の能力によって、結果に差が出てくることも考えられるため、「人材の育成も含めた幅広い標準化が求められる」と話した。



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