夏場に乳幼児を中心に流行するアデノウイルス感染症の咽頭結膜熱(プール熱)が、今年は過去最高となった。厚生労働省と国立感染症研究所が発表する感染症週報(7月17023日)では、その原因を医療機関でのアデノウイルス迅速検査が普及したためとの見方を示しながらも、今後とも発生動向への注意が必要と警戒を呼びかけている。
感染症週報によると、咽頭結膜熱の定点当たり報告数は、過去5年間の同時期と比較して、やや多い状態が続いている。都道府県別では宮崎、三重、福井、茨城の各県が多い。これまでに分離されたウイルス(総分離報告数138)では、例年同様アデノウイルス3型が52%で最も多く、次が2型である。
迅速検査が小児系医療機関に普及したことから、感染症週報は「過去と比較しても、実際の発生状況変化を正確に表していない可能性がある」としているが、発生のピーク期を迎え引き続き注意が必要としている。