東京都はこのほど、薬物乱用のない社会づくりを目指し、新たな薬物乱用対策推進計画を策定した。▽啓発活動の拡大と充実▽指導・取り締まりの強化▽薬物問題を抱える人への支援””を3本柱とし、この下に9プランと24のアクション、68の取り組みを明示した。新たな計画は2008年度からの5カ年計画で、都では薬物乱用対策推進本部を設置し、関係局・機関が連携し取り組む。
新計画のポイントは、小・中学生、高校生を対象とした啓発活動を大学生や学校に通っていない少年、事業者にも拡大していくほか、▽啓発活動の拡大と拡充▽指導・取り締まりの強化▽薬物問題を抱える人への支援””を三つの柱に、12年度までの5年間に取り組んでいく9プラン・24アクション・68の取り組みを明示した。さらに、地域における乱用防止活動を一層推進するため、都の事業や若者受けする先駆的な取り組みなどを写真や図で紹介していく。
新たな取り組み事例として、啓発活動では、大学に対して啓発資材を提供するのに加え、講師を派遣して、薬物乱用防止に向けた取り組みを支援する。また、普及啓発を担う将来の人材を育成するため、育成の対象を薬学生、医学生や教職課程を専攻する学生に順次拡大していく。
さらに現在、学校や地域で普及啓発の講師として、警察官、麻薬取締官OB、薬剤師など様々な人がいるが、啓発活動の継続や講師の知識習得・意識向上のため、都が委嘱している薬物乱用防止指導員に対し研修を行う。
こうした一方で、有職・無職を問わず、学校に通っていない青少年が多く集まる場所を新たな拠点とし、啓発活動を展開する。また、薬物乱用防止活動の率先校を選定して公表するほか、地域の先駆的取り組み事例を広く紹介する。
指導・取り締まりでは、薬局に偽造・変造処方せんが持ち込まれた際の対策として、対応マニュアルを作成し、都内の薬局に配布する。また医療機関と連携した新たな乱用薬物の使用実態把握(薬物サーベイランス)を実施する。
薬物問題を抱える人に対しては、精神医療センター(仮称)において、薬物・アルコール依存症患者に専門医療を提供する。