堀内会長
日本病院薬剤師会会長の堀内龍也氏は24日、大阪市内で開かれた日病薬近畿ブロック会議に出席し、医師不足問題に端を発する各医療職のスキルミックスについて「急激に話が進んでいる」と述べ、「法的変更を伴わないことについては3月までに、(厚生労働省から)方針が出てくると思う」と展望を語った。医師の業務を薬剤師が肩代わりすることで、医師不足を解消させる役割が求められており、「それに薬剤師が対応できるかどうかが問われている」と呼びかけた。
堀内会長は「医療制度が急激に変わろうとしている」とし、各医療職がそれぞれの専門性を発揮した上で、専門以外の分野にも関わっていく「スキルミックス」が注目を集めていると強調した。
厚労省の「安心と希望の医療確保ビジョン」に沿って、それを具体化させる作業が厚労省で進んでおり、3月までに方針が出るとの見通しを提示。薬の専門家としての業務以外に、「特に医師の業務についてどのくらい関われるか」が焦点になると話した。
こうした状況変化に対応するため、昨年末に会員に対して緊急アンケート調査を実施したところ、処方設計や採血業務など、全国の各病院で薬剤師が先進的な業務を行っていることが明らかになったという。「今後、薬剤師の新しい業務として、先進的な業務を標準化していく手法がとられると思う」と堀内氏は語った。
また、新しい業務のうち処方権の獲得については、「看護師は長期的展望だが、薬剤師の場合はそうではない」と言及。短期的な視野での検討が必要とし、その作業が今後進んでいけば、「全ての薬剤師に処方をさせるのか、という議論が当然出てくる。このレベルだったらOKという議論になり、全ての薬剤師に均一にやらせるということにはならないだろう」と述べ、生涯研修や専門薬剤師制度など段階的な研修体系と連動して業務範囲も決まるとの見通しを示した。