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【シスメックス/オンコリス】GFPで血中癌細胞を発光‐癌転移の体外診断薬を共同開発

2009年01月23日 (金)

 シスメックスとオンコリスバイオファーマは、癌原発巣から血液中に遊離した癌細胞を高感度に検出できる技術を共同開発した。GFP(クラゲの緑色蛍光蛋白)遺伝子含有ウイルス「テロメスキャン」を用い、血中の癌細胞を発光させて検出する。癌転移の可能性を今まで以上に早く正確に予測できる新しい診断法につながるものと期待されている。

 「テロメスキャン」は、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素プロモータをアデノウイルス5型のE1領域に組み込んだ制限増殖型ベクターに、サイトメガロウイルスプロモーターとGFP遺伝子を組み込んだウイルス。癌細胞に感染すると増殖し、GFPを産生することによって癌細胞を蛍光発光する。

 広い癌腫への適応が可能だが、両社ではまず、乳癌を対象に技術の事業化に向けた研究開発を進める計画だ。既に、乳癌患者から採取した血液中から癌細胞を検出できることを確認している。

 転移の可能性が早く正確に分かれば、それに応じて適切な治療法を選択できる。また、治療後のモニタリングに使用することで、治療効果の判断にも役立つと見込まれる。

 現在、癌転移の検査としては、血清腫瘍マーカー検査や、転移巣の大きさを調べるCTスキャンなどの画像診断が行われている。これらの手法では、転移巣が一定のサイズ以上でないと検出できず、転移の可能性を早期に判断するのは困難だった。今後、ナビゲーション手術など、体内診断への応用も考えられている。



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