情報提供指針案も提示
日本オンラインドラッグ協会など7団体は11日、一般薬の通信販売の継続を求める要望書と、利用者による署名・手紙を舛添要一厚生労働大臣に提出した。その後、7団体は都内で共同会見を開き、通信販売での購入が不可欠な多様なニーズがあることなどを強調し、改めて一般薬の通信販売の継続を求めた。
今回、要望書等を提出したのは、日本オンラインドラッグ協会、医薬品ネット販売推進協議会、日本通信販売協会、ネットビジネスコンソーシアム、インターネット先進ユーザーの会、ヤフー、楽天の7者。
要望書では、ネット販売継続を求める署名が、3週間で10万件以上集まったことなどから、今回の省令案が利用者に重大な影響を及ぼすことは明らかであるとの考えを示した上で、現状問題なく行われている一般薬の通信販売継続を求めている。
また、一般薬の流通について、「実店舗での販売と通信販売の別なく、適切な情報提供と共に行われる必要がある」と指摘。その上で、「最善の情報提供を行うという視点に立って、個別の販売経路の短所を否定し合うのではなく、医薬品販売体制全体で最善の情報提供を行うための議論をすべき」などを内容とした「一般用医薬品の情報提供に関する方針案」を示し、この方針案について、通信販売を継続することを前提として、関係者による詳細な議論を要望している。
これらの要望書等に対して舛添厚労相は、「利便性も無視できない。その一方で、医薬品の安全性をどのように確保するかが問題であり、国民も含めて広く議論する必要がある」との考えを示したという。
共同会見では、利用者から4000件以上のコメントが寄せられたことも示した。具体的には、▽理由に納得できない▽民意無視だ▽小さい子どもがいるので困る▽手渡しに何の意味があるのか――といったものや、「対面販売よりもネット販売の方が確実に情報が提供されているので、ネット販売を規制する意味はない。むしろ対面販売で安全性を確保できることを客観的に立証すべき」といったコメントもあったという。
楽天の関聡司氏(渉外室長)は、「利用者側には多様なニーズがある。こうしたニーズを無視しないでほしい」と述べた。
日本オンラインドラッグ協会の後藤玄利理事長は、「ネット販売を欠かせない生活のインフラにしている生活者がいる。ネット販売の議論を十分に行っていないという理由だけで、ネット販売を禁止するということは、多くの生活者の生活インフラを犠牲にしてしまう」と強調した。