規制改革会議は、22日の最終答申に向けて検討を進めているが、8日の会合終了後に会見した草刈議長は、医薬品ネット販売の規制緩和に関して、「アドホックなもので(最終)答申とは別扱いで進めたい」とした。また、「インターネットを含む通信販売による一般用医薬品の販売規制に関する規制改革会議の見解」に関しては、厚生労働省からの回答待ちの状態にあり、「最終的には大臣折衝の中で結果が出てきたものを答申書の付属資料として載せる」とし、大臣折衝での何らかの結論を得たい意向だ。このほか厚労省との間には課題が数点あるとし、今週末から来週が山場を迎えるとした。
会見では医療担当の松井道夫主査(松井証券代表取締役社長)が、ネット販売に関し、「省令案がまとまる前に見解を厚労省に示したが、1カ月経ってもまだ回答がない。厚労省としてはパブコメをまとめてからということのようだが、出方次第では国民生活に重大な影響がある。もう少し議論が必要であり(規制緩和を)主張していく」と、規制緩和を強く訴えた。
“重大な影響”に関するデータの裏付けについては、「通販やネットを規制することによる影響は、われわれが検証する必要はない。具体的な影響についてデータを(厚労省に対し)調べるようにと言っている」とした。
さらに松井主査は、「ネット以外でも、TVショッピングなど通販で多くの人が漢方薬を購入している。それも全面禁止になる。このことを厚労省はまだ明らかにしていない」と指摘した。
草刈議長も、「(禁止されれば)消費者の中で高齢者や、地方で薬局のない地域の人たちの利便性の高い入手方法がなくなることになる。利便性を阻害するのは問題だ」とした。また、地方の小さな薬局では「ビジネスの一つとして有効に活用されている。そのビジネスチャンスも潰すことになる」とした。
さらに草刈議長は、「ネット販売と店頭販売がイコール・フッティング(同等の競争条件)のもとで競争し合う。そういう意味での工夫を検討する必要がある」とし、あくまでネット販売と対面販売を同等に扱うルール作りを行うべきとの考えを崩さなかった。