薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会は9日、日米欧の3局方で調和合意された内容を反映させるための溶出試験法や崩壊試験法など一般試験方法の改正や、リュウコツ末の新規収載などを盛り込んだ日本薬局方の一部改正案を原案通り了承した。一部改正はパブリックコメント募集を経て、来年3月末までに告示される予定。
第15改正日本薬局方の一部改正(案)の概要は、以下の通り。
◇一般試験法の改正
[1]微生物限度試験法:クロストリジアの試料調製方法の変更、サルモネラ試験のXLDカンテン培地の鑑別特性の試験菌株として、E.coliを削除するなどの改正を行う。
[2]無菌試験法:培地使用期間のバリデーションの実施、市販粉末培地の性能試験の調製バッチごとの実施などを規定するほか、全面的に改正を行う。
[3]崩壊試験法:補助盤の溝の深さについて改正を行う。
[4]溶出試験法:回転バスケットおよびパドル法による即放性製剤の試験液の液量について、記載の整備を行う。
◇リュウコツの改正、リュウコツ末の新規収載(リュウコツの供給状況等に鑑み、その品質を確保できる範囲で改正を行うと共に、それを粉末としたリュウコツ末を収載するもの)
[1]生薬総則:リュウコツ末の新規収載に伴い、生薬総則を適用する生薬として、リュウコツ末を追加する。
[2]医薬品各条(生薬等):エキス剤または浸剤・煎剤に用いるリュウコツについて、ヒ素の試験方法および規格値を追加する。また本改正に伴い、リュウコツ末の規格を新規収載する。
部会ではまた、薬局方新規収載候補品目についても審議した。候補品目は次の16品目で、いずれも原案通り了承された。
[1]レボフロキサシン点眼液[2]ピロカルピン塩酸塩錠[3]フルボキサミンマレイン酸塩錠[4]ビカルタミド[5]ビカルタミド錠[6]セトチアミン塩酸塩水和物[7]70%一硝酸イソソルビド乳糖末[8]一硝酸イソソルビド錠[9]セキシャク[10]シンギ[11]タンジン[12]トウジン[13]シャカンゾウ[14]バクガ[15]ゴマ[16]ニクジュヨウ