薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は11月28日、アンジオテンシン受容体阻害薬(ARB)と利尿剤を配合した高血圧治療薬「コディオ」「エカード」など8成分(配合剤含む)と、10月の同部会で審議した「ゾレア」の名称変更などを審議、承認を了承した。今月の薬事分科会で、新作用機序を持つ「ゾレア」は審議されるが、その他は報告される。
パーキンソン病薬も了承
高血圧治療薬の「コディオ配合錠6・25、同12・5」(ノバルティス・ファーマが製造販売)の有効成分はバルサルタン/ヒドロクロロチアシド。「エカード配合錠4、同8」(武田薬品が製造販売)はカンデサルタンシレキセチル/ヒドロクロロチアジド。いずれもARBと利尿剤の配合剤で、作用が増強されたことが特徴である。ARBだけでは十分な治療効果が得られない場合の2次選択薬として用いられる。ARBと利尿薬の配合剤としては、既に万有製薬の「プレミネント」が承認されており、2番目となる。
一方、コディオの「6・25」「12・5」がそれぞれ利尿剤の含有量を表しているのに対し、エカードの「4」「8」はARBの量を示しており、紛らわしいため、「コディオ配合錠MD、同EX」、「エカード配合錠LD、同HD」に名称変更することになった。2剤とも90カ国で承認されており、再審査期間は6年を予定している。
「トレリーフ錠25mg」(大日本住友製薬が製造販売)は、有効成分がゾニサミド。効能効果はパーキンソン病で、レボドパ含有製剤に他の抗パーキンソン病薬を使用しても十分に効果が得られなかった場合に用いる。既に抗てんかん薬として承認されている「エクセグラン」と同一成分で、名称を変えて申請したもの。36カ国で承認されており、再審査期間は4年。
「ルセンティス硝子体内注射液2・3mg/0・23mL」(ノバルティスファーマが製造販売)は、有効成分はラニビズマブ(遺伝子組み換え)。効能効果は、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症。加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管の発生に関与するVEGFと結びつくことにより、新生血管の進展を抑制する。オーファンに指定されており、再審査期間は10年。
喘息治療薬配合喘息薬「アドエア250ディスカス」(グラクソ・スミスクラインが製造販売、成分名はサルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の効能追加、「アドエア100ディスカス、同50エアー120吸入用」(同)は小児用量および新剤形を追加する。
「ゾレア皮下注用150mg投与用」(ノバルティスファーマが製造販売)は、10月の同部会で審議され、新作用機序であることから薬事分科会での審議扱いとなっていた。今回、「ゾレア皮下注用」に名称変更すると共に、医療事故防止のため注射用水アンプルの添付を取りやめることになったため審議・了承された。
「ボトックスビスタ注用50単位」(グラクソ・スミスクラインが製造販売)は、有効成分がA型ボツリヌス毒素。効能効果は、65歳未満の成人の眉間の表情皺。美容目的のため、審査管理課によると「保険適用の対象にならない」という。承認条件として、▽医師が所定の講習を受ける▽廃棄する際の記録管理――が付いた。再審査期間は5年10カ月。