民主党適正な医薬品販売を検討する議員懇
談会
民主党の「適正な医薬品販売を検討する議員懇談会」は、厚生労働省や内閣府の規制改革会議、日本薬剤師会から医薬品のインターネット販売についてヒアリングした。ヒアリングでは日薬や厚労省から「地方の薬局からもネット販売がなくなると困るという意見は一つもない」「年内には大臣と相談して省令化をしたい」などの意見が出される一方で、規制改革会議はあくまで今月中の第3次答申を予定する姿勢を示した。それぞれの立場の意見を聞いた上で懇談会では、薬は危険であり他の商品とは異なるため、対面販売が原則との見解を示したが、一方で党内の意見統一については「その責務は負っていない」とし、第3次答申までにインフォーマルな議論を進めていきたいとした。
議員懇は、03年に医薬品の販売解禁を求める総合規制改革会議の動きに対して、国民の健康と安全を守るために発足したもの。川端達夫議員を呼びかけ人とし、三井辨雄議員が事務局長を務める。
議員懇には、川端議員らのほか20人弱の議員が出席。ヒアリングには厚労省から川尻良夫医薬食品局総務課課長、関野秀人薬事企画官、規制改革会議からは岩村有広企画官、日薬からは生出泉太郎副会長、藤原英憲常務理事、日本薬剤師連盟から小田利郎幹事長が出席した。
厚労省、規制改革会議、日薬がそれぞれ10分程度話した後、意見交換が行われた。意見交換では議員から「今回のネット販売規制で地方の薬局が困るという声を聞いたが、どうか」との質問に対し、日薬は「会員薬局からはそのような意見は1件も来ていない」と回答。
また規制改革会議に対しては、▽利便性を求める消費者の声▽地方の中小薬局が困るという声▽ネットでも安全性担保が技術的に可能””とする根拠を求めた。規制改革会議は「事業者が把握した根拠がある。ネット上で効能・効果等を読むことで店頭での説明の代わりが可能と考える」などと回答した。
厚労省に対しては、「そもそも薬は危険なものであり、他の商品とは全く異なる」との認識を示した上で、「厚労省は規制改革会議の見解を無視してでも、今後省令化はできるのか」と質問し、厚労省は「年内には厚労大臣と相談し、省令化したい」とした。
また、答申予定について規制改革会議は、12月中の第3次答申を予定しているとの立場を改めて明確にした。
ヒヤリング後に開かれた記者会見で民主党は、「薬は他の商品とは異なる。市場原理に則ると危険だ」とし、対面販売が原則との認識を示した。懇談会の今後の方向性については「12月に答申が出るならそれまでに何度か議論を進めたい」としつつも、「この問題について勉強して党にものをいっていきたいが、われわれは党内意見一致の責務は負っていない」とし、あくまでインフォーマルな会合であると説明した。さらに、党内のネット販売容認派議員については「個別に意見交換していきたい」と述べた。