日本人の平均寿命は、2005年に男が0.11年、女が0.10年、それぞれ前年を下回った。インフルエンザの流行などが影響したものだが、平均寿命が前年より下がったのは99年以来のこと。25日に公表された厚生労働省の05年「簡易生命表」で分かった。
簡易生命表によると、平均寿命は男性が78.53年、女性が85.49年で、男女差は6.96年で前年より0.01年拡大した。国際比較では女性は21年連続で世界トップ。男性はアイスランドやスイスなどと1位を競っており、世界トップグループにある。
平均寿命を死因別にみると、男女とも悪性新生物や脳血管疾患が、平均寿命を延ばした。特に脳血管疾患の寄与が大きい。一方で05年はインフルエンザの流行があり、肺炎がマイナス要因として強く働いたと見られている。
その年に生まれた人たちの半数が生存する年数(寿命中位数)は男性が81.49年、女性が88.27年で、やはり前年を下回った。65歳まで生存する人の割合は、男性が85.6%(前年85.7%)、女性は93.1%(前年93.0%)、80歳まで生存する者の割合は男性が55.0%(前年55.2%)、女性が76.8%(前年76.8%)だった。
将来、何が原因で死亡するかの割合を示した死因別死亡確率は、0歳の男女とも悪性新生物が最も高い。以下、男性は心疾患、肺炎、脳血管疾患、女性は心疾患、脳血管疾患、肺炎の順で続いている。また、65歳では0歳時に比べ悪性新生物による死亡確率が低く、80歳でこの傾向がさらに強まっている。
3大死因の悪性新生物、心疾患、脳血管疾患による死亡確率は、男女とも0歳、65歳、80歳の各年齢で5割を超えており、中でも心疾患の死亡確率が高くなっている。なお3大死因が克服された場合には、平均寿命が男で8.49年、女で7.68年延びる計算になる。