プラバスタチンなど選定
日本OTC医薬品協会は24日、スイッチOTC薬の候補リスト20成分を新たに追加し、公表した。一昨年に厚生労働省からスイッチ化を推進する「医療用医薬品の有効成分の一般用医薬品への転用について」とする、いわゆるスイッチ化スキームが発表されたことから、同協会では昨年4月にスイッチ候補成分リスト(70成分)を公表したが、これに続くものとして今回、高脂血症薬のプラバスタチン、プロトンポンプ阻害剤のラベプラゾールなどが選定された。
厚労省のスイッチ化スキームは、スイッチ化が適当と考えられる成分を、医療関係学会の意見を聞いた上で、薬事・食品衛生審議会(一般用医薬品部会)において検討するというもの。厚労省では8月末に、第1類医薬品を充実させることを視野に、新スキームの第一弾として、アレルギー性鼻炎等用薬のアンレキサノクスなど、7品目のスイッチを進めるよう業界に通知した。
OTC薬協では、これまでもスイッチ候補成分を検討していたが、昨年4月に70成分の代表的な候補リストを公表すると共に、スイッチ化推進の障害となっている申請資料についての事例研究にも着手するなど、スキームの支援活動を行ってきた。
前回の70成分では、海外でスイッチ化の実績があっても、日本で新薬としての承認がないものは除外したが、今回の追加リストでは、国内で医療用成分としての実績があれば、再審査あるいは再評価結果が公表されるか、または海外でOTC薬として実績がある成分を含めることとした。その結果、20成分を候補リストに追加した。
さらにOTC薬協では、「リストに基づいて、スイッチOTC薬としての承認許可を取得するに際しては、必要な安全性・有効性の評価、OTC薬としての標榜効能などについて、各企業が独自に検討、開発を進めなければならない。また、リストに収載されなかった有効成分について、その製剤がOTC薬として適切か否かを個別企業が吟味し、スイッチ化の申請を行うことを妨げるものではない」とすると共に、「候補成分リストについては、今後も適宜見直しを図り、改訂・公表を引き続き行っていく」としている。
候補として挙がった20成分は次の通り。
▽硫酸ゲンタマイシン(剤形は点眼・軟膏)=薬効群はアミノグリコシド系抗生物質
▽ナジフロキサシン(軟膏)=ニューキノロン系抗菌剤
▽メシル酸プリジノール(内服)、フェンプロバメート(内服)=中枢性筋弛緩薬
▽ナプロキセン(内服)、塩酸チアラミド(内服)、メフェナム酸(内服)=消炎鎮痛剤
▽ピバル酸フルメタゾン(軟膏)=副腎皮質ホルモン
▽パモ酸ピランテル(内服)=駆虫剤
▽メトロニダゾール(膣錠)=抗トリコモナス剤
▽ピレノキシン(点眼)、グルタチオン(点眼)=白内障治療薬
▽メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム(点鼻)、リン酸デキサメタゾンナトリウム(点鼻)=アレルギー性疾患治療剤(副腎皮質ホルモン剤)
▽リン酸ベタメタゾンナトリウム+硫酸フラジオマイシン(点鼻)=同(副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤)
▽セルニチンポーレンエキス(内服)=排尿障害治療剤
▽臭化メペンゾラート(内服)=過敏性腸症候群治療薬
▽ラベプラゾールナトリウム(内服)=プロトンポンプインヒビター
▽プラバスタチンナトリウム(内服)=高脂血症薬