遺伝子組み換えヒトFSH、在宅での自己注射が可能 シェリング・プラウ

2008年10月22日 (水)

 シェリング・プラウは10日、国内初となる在宅自己注射が可能な遺伝子組み換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤「フォリスチム注カートリッジ」と、専用ペン型注入器「フォリスチムペン」を新発売した。

 国内では既にフォリスチム注が生殖補助医療を目的とした「複数卵胞発育のための調節卵巣刺激」(フォリスチム注75、150)、及び「視床下部―下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」(同50、75)を適応症として発売されている。

 今回、両適応症を持つ同製品のカートリッジ製剤と「フォリスチムペン」の新発売で、国内で初めて在宅自己注射が可能となる。「視床下部―下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の使用に限り保険適用される。

 従来の不妊治療では、ゴナドトロピン製剤(性腺刺激ホルモン)が用いられていたが、注射のため連日の通院が必要で大きな負担になっていた。そのため、在宅自己注射が強く要望されていた。

 「フォリスチム注カートリッジ」と「フォリスチムペン」は、従来のバイアル製剤を用いた注射とは違い、注射時の操作が簡便で、バイアル製剤よりも投与液量が少ないため注射時のストレスが少なく、細かい用量設定が可能という特徴がある。また、在宅自己注射が認められたことで「視床下部―下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」では、投与期間を気にせずに低用量漸増法を用いることができるようになった。単一卵胞の発育を目指すことで、多胎妊娠の予防にも貢献できると期待されている。

 同社では発売により、「働く女性をはじめとする患者さんの精神的、経済的、肉体的な軽減をもたらし、QOLの向上に貢献できる」と期待している。海外では、「無排卵女性における排卵誘発」「生殖補助医療における調節卵巣刺激」「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症による精子形成不全」を適応として、90カ国で承認されている。



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