
日薬学術大会の開会式
日本薬剤師会第41回学術大会が「地域医療に生きる0いつも誰かのそばに0神話と太陽の国から」をメインテーマに12、13の両日、宮崎市のフェニックス・シーガイア・リゾート・ワールドコンベンションセンターサミットで開かれた。大会には全国から7000人を超える会員が参加。在宅医療、後発品の使用促進、長期実務実習、生涯学習、学校薬剤師活動、新しい販売制度など、薬剤師を取り巻く様々な課題をめぐって、口頭260題、ポスター560題の一般会員発表に加え、特別講演や11の分科会が展開され、薬剤師の未来に向けて確かな一歩を刻んだ。

児玉日薬会長
初日の開会式であいさつに立った児玉孝日薬会長は、薬学出身者として初めてノーベル化学賞を受賞した下村脩氏の話題に触れ、「大会に合わせるかのように明るいニュースが飛び込んできた。下村氏はインタビューで、難しいからと諦めるのではなく、全力を尽くして取り組むことが大切といっていたが、薬剤師の現状を見ると、薬学教育6年制、医薬分業の推進、後発医薬品の推進など、職能を発揮して社会に貢献すべきことはたくさんある。下村氏のコメントは、(私が常々いっている)“百の言葉より一の行動”に相通じるところもある」とし、行動するための自己研鑽が重要と締め括った。

喜島大会運営委員長
大会運営委員長の喜島健一郎宮崎県薬剤師会会長は、参加者が約7000人に達したことを報告した上で、「社会保障制度、医療制度改革など、薬剤師はいま重要な時期に差しかかっている。この大会が倫理、学問水準の向上を図り、良質な医療を提供できる資質を培うための礎となることを祈念したい」と述べた。
また、学術大会の次期開催県である滋賀県薬剤師会の川端和子会長に、喜島宮崎県薬会長から薬剤師綱領の盾が引き継がれた。
開会式に続いて各賞受賞者の表彰式が行われた。日本薬剤師会賞が茂木博氏ら7人、日本薬剤師会功労賞が清水良夫氏ら12人、日本薬剤師会有功賞受賞団体が甲府市薬剤師会(山梨県)にそれぞれ贈られた。

日薬賞の表彰式
東国原宮崎県知事が薬剤師にメッセージ

講演する東国原知事
東国原英夫宮崎県知事が「薬剤師へのメッセージ」をテーマに、特別記念講演を行った。知名度抜群の東国原氏だけに、会場は立ち見ばかりか、床に腰を下ろして聴く人が現れるほどの盛況ぶりであった。
東国原氏は、知人から譲られた育毛剤を服用し、女性化乳房の症状が現れたというエピソードを披露。「薬の説明書はきちんと読まなくてはならない。薬を酒でのんではいけない。用法・用量も守らなくてはならない」と話したことに対し、会場からは盛んな拍手が起こった。