会見後に握手する(左から福神、熊倉、渡邉
、三木田の4氏)
メディセオ・パルタックホールディングスとアルフレッサホールディングスは10日、来年4月1日に合併する基本合意書を締結した。新社名は「アルフレッサ・メディパルホールディングス」(AMPH)で、代表取締役会長に福神邦雄氏、社長に熊倉貞武氏、副社長に渡邉新氏が就任する予定。記者会見で熊倉貞武メディ・パルHD社長は、社会や業界のニーズと変化へ対応するためには「両社の合併がベストの選択だ」とすると共に、「今回の合併は、物流コストを欧州並みの水準までにするコストシナジーを狙ったものだ」と強調した。また、渡邉新アルフレッサHD社長は、「全国どこへでも365日24時間、常に安全に供給できる体制を構築したい」と医薬品卸の社会的使命を果たす意気込みを述べた。
熊倉氏はまた、合併によって独禁法に抵触するかについて、「公正取引委員会に申請中である。医療用医薬品、一般用医薬品、試薬、医療機器、SPDなど全てのデータを提出して抵触しないことを説明している」と報告した。
渡邉氏は、健康に関する領域を全てカバーする方針を示しつつ、「当社のセルフメディケーションとパルタックKSの統合は今後の課題だが、将来は有望だ」とした。
合併の背景、概要、今後の展開をについて福神邦雄アルフレッサHD会長は、医療費適正化という社会的要請、安全・安定して供給する社会的使命、新たな健康ニーズへの対応、業界環境の変化への対応について、「将来の考え方が一致して合併することにした」と説明。単純合算による連結売上高(2008年3月期)は、4兆0243億円、営業利益533億円、純利益439億円、総資産1兆9530億円、純資産4768億円、従業員数2万1908人の規模になる。
アルフレッサ・メディパルグループは、「すべての人々の健やかな生活に貢献します」を理念に掲げ、[1]物流拠点、事業所の再配置による流通の最適化・効率化[2]ITシステムの統合によるシステムの更なる高度化・効率化[3]社会的要請に応えるトレーサビリティの実現[4]ナショナルホールセラーとして、それぞれの特性を活かしたビジネスモデルの確立[5]その他健康関連事業領域への積極展開――の施策を進めていくことにしている。今後、両社による経営戦略委員会を発足して具体的な協議に入る。