企業合併によって売上高原価率や販管費が抑えられ、収益率が向上していることが、日本国内のM&A企業379社を対象にしたアビームM&Aコンサルティングの調査で分かった。
同社は、1995年から05年の間に日本企業を対象に行われたM&A案件について、M&A実施後の企業価値などについて調べた。
その結果、M&A実施から3年で売上高を4.4%伸ばす一方で、資材の共同仕入れなどによる原価削減によって売上原価率が0.53%、リストラなどによる人件費削減で売上高販管費率が0.97%抑えられ、収益性が改善していた。EBITDA(税引き・利払い・償却前利益:営業利益+減価償却費)は34.8%の上昇で、収益力が大きく向上していた。
同社はコストを抑えられたことで収益を増加させ、企業価値を高めた企業が多いと分析している。一方で、「合併が目的化して、合併後の事業方針が明確ではないケースもみられた」とし、安易なM&Aには注意を促している。