米バクスターは今月に入って、新型インフルエンザH5N1型に対するワクチンの治験に着手した。安全性と免疫原性に関する臨床データは今秋にも得られる見通しだという。日本での実施は検討中で、今回の試験結果を踏まえて判断するとしている。
治験は、オーストリア、シンガポールの健康な成人数百人規模で行うもの。完全に不活化された野生型H5N1A株/ベトナム/1203/2004を用い、抗原として3.75030μgまでの四つの濃度について、アジュバントミョウバンを添加したものと、しないものに分けて投与する。
同ワクチンは、同社独自技術のヴェロ細胞技術を用いてインフルエンザウイルスを大量培養し製造するもので、有胚卵を用いる従来の製造法に比べ迅速に製造できる可能性があるとしている。既に、チェコ共和国のボミフルにある細胞培養ワクチン製造施設で、生産する許可を取得しているという。