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経営統合を発表し、握手する明治製菓佐藤社長
(左)と明治乳業浅野社長
明治製菓と明治乳業は11日、都内で記者会見を開き、株式移転による共同持株会社「明治ホールディングス」を設立した上で、2009年4月1日に経営統合すると発表した。新持株会社は、売上高の単純合算で1兆円を超える規模となるが、特に薬品事業の強みを生かし、「健康」事業分野を新たな事業の柱へと成長させたい考えだ。明治製菓社長で、明治ホールディングス社長に就任予定の佐藤尚志氏は、「経営統合をきっかけに世界的な企業として飛躍を遂げたい」と強調し、世界有数の「食と健康」のリーディングカンパニーを目指す方針を示した。
経営統合を受け、明治製菓と明治乳業は、明治ホールディングスの子会社となるが、2年以内に「薬品」「健康・栄養」など各事業分野の再編を行い、子会社化することにしている。その中で、新たな事業の柱と位置づけるのが「健康・栄養」事業分野。高齢化社会の進展、健康意識の向上といった環境を踏まえ、薬品事業とのシナジー効果で事業を成長させていきたい考え。
薬品事業について、佐藤氏は「薬品事業の売上高は1兆1000億円のうち1000億円に過ぎないが、明治製菓は中期経営計画で薬品事業を重視しており、感染症・中枢神経系・ジェネリック医薬品のスペシャリティーファーマとして、成長に向けた構造改革の成果が出てきている」と強調。「今後も薬品事業を重視する路線は変わらない」と明言した。
その上で、薬品事業で培った臨床開発のノウハウなどを生かし、医薬品から健康食品に転用する「スイッチ健康食品」への応用に期待感を示した。
明治乳業社長の浅野茂太郎氏は、「薬品事業は特徴的な展開をされていると思う。われわれが力を入れている健康・栄養事業とのシナジー追求に医薬品で培ったノウハウが役に立つ」との認識を述べた。
また、明治ホールディングスでは、東南アジアを中心に、海外市場への展開を積極的に進める方針を打ち出した。現状では、菓子・食品・薬品を合わせた海外売上高は500億円程度にとどまっているが、佐藤氏は「まだ海外展開は緒に就いたばかりだが、特にアジアで菓子・食品・薬品を含めた総合的な戦略を組み、できれば共通機能を持って海外にチャレンジしていきたい」と意欲を語った。
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