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会見する川島理事長(中央)
日本薬業研修センター(川島光太郎理事長)は、関東、北海道・東北、九州、中国、近畿で実施された1回目の登録販売者試験について、試験問題を精査し、日本薬業連絡協議会加盟団体に通知した。また、都道府県などへ、試験地により受験者に不利益、不公平にならないよう対処することを求めた。これは、薬業連絡協議会の依頼を受けて実施したもので、今後、1回目の試験が行われる中部地区、四国地区についても同様に対応する予定だ。
研修センターによると、4日現在、1都1道2府30県で登録販売者試験が実施されている。これに対してセンターでは、試験実施後、直ちに試験問題を入手して正答を作成。難易度、範囲、出題傾向、出題意図などについて精査を行った。
その結果をまとめ、薬業連絡協議会加盟する日本薬局協励会、日本チェーンドラッグストア協会、日本医薬品登録販売者協会、日本置き薬協会に通知した。
試験問題の精査の結果では、不適切と思われる問題があり、研修センターでは試験を実施した都道府県と厚生労働省に対し質問書を提出、回答を求めている(近畿地区は4日に送付)ほか、試験地によって受験者に不利益、不公平が生じないような処置をとるよう要望した。
不適切と考えられる問題に関しては、実施地域ごとの結果も示した。それによると、東京都は不適切問題は1問で、「引っかけ的な問題はほとんどなく、全体的に手引きにそって作成されている」とコメントした。また、神奈川県・千葉県・埼玉県は3問で、「問題文はよく作り込まれているが、広告、救済制度、事例問題が多い傾向にある」とした。
全体的な感想では、「1回目の試験としては、各都道府県ともに範囲や難易度に留意され、レベルの統一化、実践的であったことは概ね評価できる」とした。その一方で、都道府県別の試験内容を細部にわたり精査すると、意図的ではないものの、出題の不慣れによるいくつかの問題点も散見されると評価した。
研修センターでは、それらの結果をまとめて、「出題方法の統一化について、再検討していく必要がある」と指摘。主な改善点として、[1]手引きの範囲内から作成する際には、薬学的な観点からも的確に判断できる出題方法の統一[2]基本的には手引きの範囲内から出題することになっているが、あえて範囲外から出題する場合には、その出題方法について一定の基準をつくる必要がある””などを挙げた。
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