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第69回通常総会
日本薬剤師会(児玉孝会長)は23、24の両日、都内の虎の門パストラルで第69回通常総会(決算総会)を開き、新たな販売制度下での店舗管理者の指定、長期実務実習、公益法人制度改革への対応、組織強化の方向性などをめぐって討議を行った。児玉会長は、各種法制度改革を踏まえ、「今は薬剤師の位置を確保する段階にある」との見方を示すと共に、公益法人制度改革の機会を捉え、オール薬剤師組織への改革を進めたいと述べた。総会ではブロック代表理事等の追加を含め、2007年度収支決算等につき執行部側の提案通り了承した。
あいさつした児玉会長は、「医薬分業の進展や薬学教育6年制の実施などにより、ようやく職能確立のための基盤、環境整備はできつつあり、現在、次へのステップとして様々な法制度改正で、薬剤師の位置づけを明確にしていく段階に入っている。少子高齢化に対応した制度改革に、きちんと対応することが社会に対する責任の一つ。一般薬販売の規制緩和にも、安全性を守る立場から対応が必要。また、個々の薬剤師を支援するための組織作りが重要で、タイミングとしては公益法人制度改革がある。この機会を捉え、オール薬剤師の会になれるよう実行に移したい」と、今後の活動方針を示した。
質疑の中では、新たな販売制度のあり方が焦点の一つとなった。特に、管理者の指定要件についての不満が、複数の代議員から表明されたが、石井甲一専務理は、「医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会報告書」をもとに、日薬の考え方・見通しを示した。
石井専務は、「薬事監視はある意味で厳しくなる。第1類薬も少しずつ増えてきており、薬剤師が必要だということを示していかなければならない」と、現場での適切な対応を求めた。また報告書の中で、薬局・店舗で多くの掲示が求められていることから、掲示のあり方について、モデルを作成する方針を明らかにした。
さらに、医薬品は対面販売が原則であり、情報通信技術を活用した情報提供による販売は適当でないとし、いわゆるネット販売に関して「報告書の内容は、第2類まではネット販売は適当でないということであり、『認められない』という省令が示されるものと認識している」と述べた。
一方、管理者の指定基準に関しては、数人の代議員から代表質問があったが、「第1類薬は薬剤師しか情報提供ができない。従って、管理者は薬剤師だと思っている。登録販売者を一定期間後に管理者とすることができるが、薬剤師を管理者補佐として指定し、管理体制に参画させることが適当であることなどが指摘されており、これらは省令に明記されるものと思っている」と述べた。
この点に関し上村直樹氏(東京)が、日薬が報告書を評価していることの真意を求めた。回答した生出泉太郎副会長は、「本当は評価していない。他の全体的なことを含めれば一定の評価ができる」と答弁。
さらに乾英夫氏(大阪)からも、「このままでは、自然に店舗販売業の管理者が登録販売者になってしまう」との危機感が示された。生出副会長は、「まさに厚生労働省にお願いし、事細かに詰めている」とした。
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