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厚生労働省は22日、薬物乱用を防止するための「第三次薬物乱用防止5カ年戦略」をまとめた。新戦略では、特に覚せい剤使用者に再乱用率が高いことから、再乱用防止に向け、民間団体も含めた関係諸機関のネットワーク化、就労支援のためのハローワークとの連携などを打ち出し、社会復帰の推進を重点化した。新戦略は都道府県に対し講習を開くなど周知を図る。
新5カ年戦略では、覚せい剤を中心課題とし、大麻やMDMAなどの合成麻薬の乱用防止を据えている。新戦略は今年度から始まるが、覚せい剤の再乱用率が5割を超えることを踏まえ、行政機関のみならず、医療機関や地域のボランティア、NPOなどの民間団体も共同して、再乱用防止のためのネットワークを作り、乱用経験者の社会復帰を支援していくことを最重点項目とした。
支援策としては家族に対し、早期からの相談や講習の実施も推進する。また、生活不安から薬物の再乱用に至るケースも多いと見られることから、断薬指導、生活指導、就労指導を充実させ、ハローワークと連携して協力雇用主を拡大するなど、就労支援を強化して社会復帰を推進する。
青少年による薬物乱用の根絶も、引き続き重視。学校等での指導の強化と、これまで主な対象としていなかった大学生に対しても、入学時のガイダンスで啓発を図るなどの対策を開始する。
このほか、薬物に関わる犯罪のネットワークが国境を越えて拡大していることから、海上・港湾の監視強化、検査機器の性能向上などで密輸の阻止に向けた水際対策を徹底、国際的な連携・協力も推進して密売組織の壊滅を目指す。
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