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地道な努力が実る試験内容
来年度からスタートする医薬品の新販売制度に向け、登録販売者の第1回試験が12日、関東・甲信越の1都9県で一斉に行われた。最も出願者数の多かった東京都では、5222人が受験した。会場から出てきた受験者たちは、口々に「きちんと手引きを勉強しておけば解ける内容だった」と話し、新たに設けられた試験制度が取り組みやすいものであり、地道な努力が実る試験内容だったとの感触を示していた。
今回、10都県で実際に試験を受けたのは、全部で1万9845人。出願しながら受験しなかった人が、約700人(3・5%)いた。 東京都では、有明の東京ビッグサイトで試験が行われた。試験終了後に受験者たちに聞いた感想で多かったのは、「簡単だった」「素直で解きやすい問題だった」「サービス問題が多かった」「手引きを覚えておけば解ける内容だった」「難しいと事前に脅かされていた割にはやさしかった」などで、取り組みやすい出題との声が目立った。「初めての試験だから、(行政側が)受からせようとする意図もあるのでは」と話す人もいた。
「難しかった」「予想外の出題だった」との声は少数で、難しいと感じた人でも「自分は一夜漬けだからできなかったが、きちんと勉強しておけば解ける問題だと思う」と話していた。
感想を聞いた受験者の多くはドラッグストア勤務者で、会社が主催する勉強会に参加したり、独自にテキストを購入するなどして勉強していた。一方、保険薬局勤務者からは、「医療用医薬品とOTCは全く違って苦労した」とする声もあった。
受験者から問題が簡単だったという声が多く上がっていることに対し、栃木県薬務課の関係者は、「出題範囲が『手引き』という形で限定され、1年前の昨年夏に厚生労働省から示された。その内容をじっくり1年間かけて勉強した人たちには、やさしい問題と映ったかもしれないが、今年の春頃から始めた人には、必ずしも簡単ではなかったと思う」と話している。
各都県の受験者数と出願者数は次の通り。
茨城1158人(出願者数1200人)、栃木714人(727人)、群馬808人(821人)、埼玉3361人(3400人)、千葉2682人(2728人)、東京5222人(5340人)、神奈川3866人(3904人)、新潟775人(784人)、山梨299(307人)、長野960人(速報値、973人)
試験が終わり安心した表情で出てくる受験者たち
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