薬事・食品衛生審議会の化学物質安全対策部会は11日、1月の同部会で化学物質審査規制法に基づく第1種特定化学物質に指定することを決めたトリアゾール系紫外線吸収剤「2‐(2H‐1・2・3‐ベンゾトリアゾール‐2‐イル)‐4・6‐ジ‐tert‐ブチルフェノール」の使用製品を、輸入禁止とする措置を了承した。6日の厚生労働大臣の諮問に答申したもの。厚生労働省は今後、パブリックコメントを求めると共に、WTO通報等の手続きを行った上で公布・施行していく。
この化学物質は難分解性と高蓄積性があり、「継続的に摂取された場合、人の健康を損なう恐れがある」可能性が示唆されることから、1月の部会では第一種特定化学物質に指定し、▽製造・輸入の許可制▽使用製品の輸入禁止▽閉鎖系のごく限られた用途以外の禁止▽回収等の措置命令――などの規制を行うことが必要とされていた。
今回は1月の結論を受け、同化学物質を使用した製品の輸入を禁止するもの。使用製品は、[1]プラスチック樹脂成型品[2]特殊合板(化粧板)[3]ワックス[4]塗料[5]接着剤[6]印刷・感光材料(グラビアインキ、インキリボン、印画紙添加剤、感熱フィルムラベル、昇華型熱転写記録材)[7]シーリング剤、補修剤[8]芳香剤――と幅広い。
なお、同化学物質の製造・輸入量は2004年で約120トン、05年は10月までで約92トンとなっているが、「人の健康を損なう恐れがある」可能性が示唆されたことから、国内製造者・販売者は今年1月13日までに製造・販売を中止しており、今後は製造・販売を行わない意向を示しているという。