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【薬食審医薬品第一部会】新薬6成分を審議・了承‐抗てんかん薬「ラミクタール」が登場

2008年07月29日 (火)

 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は25日、日本では初めて難治性てんかんのレノックス・ガストー(LGS)症候群の適応を持つ新薬など6成分の承認を認めた。いずれも、9月末にも予定される薬事分科会へ報告し、順調にいけば10月中に正式に承認される見込み。

 ▽ラミクタール錠小児用2mg同錠小児用5mg同錠25mg同錠100mg(グラクソ・スミスクラインが製造販売):有効成分はラモトリギン。効能・効果は、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)、強直間代発作、LGS症候群における全般発作における他の抗てんかん薬との併用療法」。バルプロ酸ナトリウムなどと併用する。原体は毒物、製剤は劇薬。再審査期間は8年。

 LGSは小児てんかんの1~10%に発生するといわれ、脱力発作(筋緊張や意識の急速な消失)や強直発作(筋肉の持続的収縮による四肢の強直)を伴う難治性の疾患。LGSの適応は日本で初めてという。

 厚生労働省医薬食品局によると同剤は、海外では1990年代から使われており、成人てんかんでは104カ国、小児てんかんでは93カ国、LGSでは50カ国で承認されている。

 日本では03年に承認申請されたが、データの集計ミスで申請を取り下げた後、05年12月に再申請となっていた。副作用として重篤な皮膚障害であるスティーブンス・ジョンソン症候群の発現の恐れも知られているため、漸増的に用いる。

 ▽ジェノトロピン5・3mgジェノトロピンミニクイック皮下注用0・4mg同皮下注用0・6mg同皮下注用0・8mg同皮下注用1・0mg同皮下注用1・4mgジェノトロピン注射用12mg(ファイザーが輸入販売):有効成分はソマトロピン(遺伝子組み換え)。効能・効果に、「骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症」を追加。毒劇なし。再審査期間は4年。

 SGAは、生後の身長体重が標準より一定程度下回り、生後2年経っても標準に達しない成長障害で、日本での推定患者数は年2000人未満という。海外では62カ国で承認されている。

 ▽ネオーラル内用液同10mgカプセル同25mgカプセル同50mgカプセル(ノバルティスファーマが製造販売):有効成分はシクロスポリン。効能・効果に、「アトピー性皮膚炎(既存治療で十分な効果が得られない患者)」を追加。原体、製剤とも劇薬。再審査期間は4年。

 免疫抑制作用により、炎症に関与するTリンパ球の活動を抑える。同じ作用ではタクロリムスの軟膏があるが、「ネオーラル」は内服薬。アトピー効能では海外67カ国で承認されているという。

 ▽タプロス点眼液0・0015%(参天製薬が製造販売):有効成分はタフルプロスト。効能・効果は、「緑内障、高眼圧症」。原体は毒物、製剤は劇薬。再審査期間は8年。

 既存薬があるプロスタグランジンF2α製剤だが、日本発の新薬。正常眼圧の緑内障患者に対しプラセボ対照で治験を行い、有効性データを得たという。欧州4カ国で承認を得ている。

 ▽メノエイドコンビパッチ(あすか製薬が製造販売):有効成分はエストラジオールと酢酸ノルエチステロン(配合剤)。効能・効果は「更年期障害及び卵巣欠落症状に伴うホットフラッシュ及び発汗」。毒劇なし。再審査期間は6年。

 既存薬には、それぞれの成分を含有する単剤はあるが、エストラジオールのみでは子宮内膜症のリスクが高まることから、黄体ホルモンである酢酸ノルエチステロンも併せて投与していた。それを配合剤にして使いやすくした。

 ▽ベプリコール錠50mg同錠100mg(シェリング・プラウが製造販売):有効成分はベプリジル塩酸塩水和物。効能・効果に、「他の抗不整脈薬が使用できないか、または無効な場合の持続性心房細動」を追加。原体、製剤とも劇薬。再審査期間は4年。

 同剤は海外24カ国で承認されているが、心房細動の適用は日本だけ。既に治療ガイドラインでは、適応外ながら第二選択薬の位置づけで、関係学会の承認の要望があったという。医師主導治験も行われた。



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