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漢方内服薬「ナイシトール85」、発売2年目も54億円と伸長

2008年07月18日 (金)

 肥満症・便秘改善薬市場は、2005年度には27億円(小売ベース)と縮小傾向が続いていたが、06年度には108億円と大きく伸長し、07年度は174億円とさらに成長を見せている。この市場拡大を牽引したといえるのが、小林製薬が06年3月に発売した漢方内服薬「ナイシトール85」で、競合製品が続々と登場する中で、順調に売上を伸ばしている。今春からは、女性も手に取りやすいパッケージの製品を加えるなど、アイテムの充実を図っており、同社は3年目もさらなる売上拡大を目指している。

 「ナイシトール85」は、お腹の脂肪の分解・燃焼を促す漢方内服薬。18種類の生薬から抽出した漢方エキスが、肥満症に効果を現す。いわゆる脂肪太りで、特にお腹に脂肪がたまりやすい人、便秘がちな人に適した商品。小林製薬では、中高年男性の肥満が急増していたことや、肥満と健康の関係についての学術情報が増加傾向にあったことに着目。「中高年男性をターゲットとした、健康のための肥満対策薬」というコンセプトで、製品開発に取り組んだ。

 発売初年度は、同社の医薬品の新製品としては過去最高の売上(出荷ベースで35億円)を記録し、2年目の07年度も売上は1.5倍増の約54億円と、大きな伸長を見せている。

 昨年9月からはリピーターの要望に応え、これまでの2週間分(180錠)に加え、より経済的な4週間分の大容量タイプ(360錠)を発売した。さらに今年3月からは、中高年男性を中心としたターゲットから、肥満が気になる女性層への拡大も目指し、女性も手に取りやすいパッケージの「ナイシトール85」を発売するなど、アイテムを充実させた。

 厚生労働省の06年調査では、メタボリックシンドローム該当者とその予備群を40074歳で見ると、男性は2人に1人、女性は5人に1人と報告されている。今年4月からはメタボリックシンドローム対策の一環として、40歳以上を対象に特定健康診査・特定保健指導が始まっている。

 こうした背景から同社では「健診の受診を契機に、生活習慣病予防に対する意識が一層高まり、さらに肥満症・便秘改善薬市場の拡大が見込まれる。発売3年目となる今年度は、分かりやすい広告でセルフメディケーションの啓発を推進し、ナイシトール85の販売拡大につなげたい」としている。

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