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後発品の品質確保のため厚生労働省医薬食品局は、一斉監視指導の一環として、医薬品卸の協力を得て、市場に流通している後発品の品質検査を実施することを決めた。一斉監視は製造工場については実施しているが、担当する監視指導・麻薬対策課は、医療機関に納入される直前の流通段階においても保たれている必要があると判断した。結果はインターネットなどを通じて公表する。
これは2012年度までに、「後発品の数量シェアを現在の倍の30%以上に引き上げる」という政府の数値目標を実現するための厚労省アクションプログラムを受けたもので、懸念が指摘されている品質を確保することで、後発品に対する信頼性を高め、使用の促進につなげたい考え。
一斉監視指導や一斉収去・検査はこれまで、製造工場の医薬品を対象に行っていた。しかし、品質は出荷時のみならず、医療機関に納入される直前の流通段階においても保たれている必要があるとして、市場に流通する医薬品にまで広げることにした。製造工場では検査する品目が限られるが、医薬品卸ではサンプリングの効率が良く、様々な製品がチェックできるメリットもある。
そこで、監視指導・麻薬対策課は7日付で、関係者に対し課長通知により検査の協力依頼を行った。示された「2008年度医薬品等一斉監視指導」の方針では、卸売一般販売業者から709月の約3カ月間、指定した成分について検体の提供を受ける。
これまで十分とは言えなかった検査結果の公表も積極的に行う方針。インターネットなどを通じて、検査成分や品目、製造販売業者などを公表し、製品の信頼性を確認できるようにする。
この指導とは別に同課は、承認後に製剤の変更や原料の調達先が変わるなどして、品質に影響を及ぼしている可能性に注目し、メーカーが市販後のロットの安定性を定期的にチェックする必要性も指摘している。
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