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大型品が収載数を押し上げ
厚生労働省は4日付で、後発品等463品目を薬価基準収載した。高血圧治療薬で国内で2000億円もの売り上げがある大型品ベシル酸アムロジピン(先発品:ノルバスク錠=ファイザー、アムロジン錠=大日本住友)の後発品の収載は34社70品目にも上り、アレルギー治療薬エバスチン(「エバステル錠」=大日本住友)、解熱消炎鎮痛剤メロキシカム(「モービック錠」=日本ベーリンガーインゲルハイム)も30品目以上の収載となった。多数の収載数となった3製剤を扱う企業は数十社に上り、全社が安定供給できるかの懸念を持っていた厚労省は、特にこれら3製剤を扱う製剤販売企業に対し、医療施設からの注文した時に卸が在庫がない場合でも、平日は3日以内(注文日含む)に届けるよう指導し、安定供給を念押しした。
収載されたのは77社、108成分171規格463品目。内訳は、内用56成分95規格355品目、注射27成分43規格64品目、外用25成分33規格44品目。収載品目数が多かったのは沢井製薬31品目、大洋薬品工業28品目、シオノケミカル24品目、日医工22品目、東和薬品21品目の順で、例年通り有力後発品メーカーが顔を揃えた。
例年の収載は400品目程度だが、今回は前年同期より43品目多かった。今年度から、先発品が有する規格を全て取りそろえなければならない全規格収載が実施になったこともあるが、同省はアムロジピンなど、同一成分多数銘柄収載が収載数を押し上げたと見ている。
今回初めて収載されたのは18成分29規格260品目で、9割弱の品目が内用薬。同省によると、後発品の収載数が最も多かったのは、血管拡張剤ベシル酸アムロジピンで34社70品目(ファイザー申請のノルバスクOD錠2規格追加収載を加えると72品目)、次いでアレルギー用薬エバスチン(エバステル=大日本住友)18社48品目、解熱鎮痛消炎剤メロキシカム(モービック=日本ベーリンガーインゲルハイム)19社38品目。
「安定供給」に厳しい姿勢
これら、同一成分で多数の銘柄の収載希望があったため、安定供給に懸念を持った同省医政局経済課は、安定供給や全規格収載などを確認するヒアリングを前年度より3倍以上の40社に対し実施。
その結果、同課によると、同一成分多数銘柄の収載希望社のうち採算性や販売体制の問題で3社8品目が収載を断念した。全体では42品目の収載希望が取り下げとなった(うち2品目は告示不要品目と判断)
特に収載数が多かったアムロジピン、エバスチン、メロキシカムを扱う製剤販売企業に対し、医療施設からの注文した時に卸が在庫がない場合でも、平日は3日以内(土日挟んだ場合5日以内、注文日含む)、遠隔地では4日以内(同6日以内、注文日含む)に届けるよう指導した。
経済課は、以前からの安定供給指導を含め、守られていないなどを苦情を受ければ「厳しく臨む」という。調査、改善指導を行い、場合によっては収載の取り消しも検討するとしている。
なお、最低価格に0・9を乗じて算出される既収載品と今回の収載品を合わせて20品目を超えた後発品は、塩酸プロピベリン(バップフォー錠=大鵬薬品)の1品目だった。
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