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6年制への対応を検討した
「薬剤師国家試験出題制度検討会」は6月30日、薬学教育6年制に対応した新しい国家試験制度の報告書をまとめた。報告書では、出題区分を、必須問題、一般問題(薬学理論問題、薬学実践問題)に3分類するほか、現行240問の出題数を345問と大幅に増やすこと、合格基準は原則65%を踏襲し、各試験区分ごとに水準を設けることなどを盛り込んだ。
同検討会では、2012年に6年制薬学教育の卒業生に対する国家試験受験が始まることを受け、国試のあり方を議論してきた。
新たな出題基準では、現行の出題基準の体系を参考に、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」「実務実習モデル・コアカリキュラム」の項目・ユニットの全てを含め、「大項目」「中項目」「小項目」および「小項目の例示」に整理することが適当とした。
また、出題基準は5年をメドに見直しを行ってきたが、学術の進歩、薬剤師業務の変化が激しいことから、見直し期間を4年程度に短縮することにした。
出題区分については、新たな薬剤師国試では科目別に試験を行うのではなく、医療人として最低限必要な資質を確認する問題と、直面する一般的課題を解釈・解決する資質を確認する問題に分けることが適当と判断。
そのため、「基礎薬学」「医療薬学」「衛生薬学」「薬事関係法規及び薬事関係制度」の四つの出題科目を再構成し、基礎知識を問う「必須問題」と「一般問題」に大別した。また「一般問題」については、薬剤師に必要な知識を中心に薬学の理論に関する資質を確認する「薬学実践問題」、医療の実務で直面する問題を解決するために必要な基礎力や実践力を確認する「薬学理論問題」で構成することとした。
出題数については、教育年限の延長に伴う薬剤師に対する社会的要請の向上や、薬学教育の充実などの状勢を踏まえて、現行240問を大幅に増やし、345問とした。出題数は、「必須問題」(90問)、「一般問題・薬学理論問題」(105問)、「同・薬学実践問題」(150問)とした。
「必須問題」では、現行制度の科目のうち、医療薬学関連の領域から従来の2分の1程度の問題数(60問)を確保する。他の科目からは4分の1程度(各科目10問、3科目の合計30問)確保する。
「一般問題・薬学理論問題」については、実務に関する領域以外で構成する。医療薬学に関連する部分から45問を確保し、他の3科目については各科目20問の3科目合計で60問を確保する。
「同・薬学実践問題」は、実務に関する領域から30問を確保すると共に、実務に即した医療薬学系の組み合わせ問題として60問、さらに医療薬学関連の領域以外の3科目と実務に関する領域とを組み合わせた複合問題として60問を確保するとした。
合格基準については、各領域で一定水準以上の能力を求めるため、全ての問題への配点の65%を基本とすると共に、各出題区分ごとの水準も設け、35%以上とすることになった。
ただ、必須問題については、最低限の知識と技能を確認する問題であることから、総合成績より高い70%を合否水準にすることに加え、構成する領域ごとの得点が全て50%以上とすることが適当とした。
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