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塩野義製薬と大日本住友製薬は23日、長時間作用型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の「イルベサルタン(一般名)」を7月1日から新発売すると発表した。製品名は、塩野義製薬が「イルベタン」、大日本住友製薬が「アバプロ」で、一物二名称の販売となる。同剤は、サノフィ・アベンティスが創製し、海外ではサノフィ・アベンティスとブリストル・マイヤーズスクイブの共同開発により1997年に発売されている。
軽症から重症の高血圧に対して、24時間持続する安定した降圧効果を発揮するのが大きな特徴。
海外の大規模臨床試験(IRMA2、IDNT等)で、早期腎症から顕性腎症まで幅広い範囲の腎保護作用に関するエビデンスが証明された有一のARBで、現在、86カ国で発売されている。
全世界での売上高は3000億円(07年)を誇り、ARBのトップブランドの一つとして高く評価されている。
塩野義は、同剤の日本人における腎保護作用を積極的に確認すると共に、CKD(慢性腎臓病)に対する啓発活動も併せて強化する。同社は、これまで高血圧治療薬「ランデル」(Ca拮抗剤)の大規模臨床試験「JATOS」の結果から、腎機能が低下しやすい高齢者高血圧の診断・治療に対する啓発活動を推進してきた実績を持つ。今後は、「腎保護の重要性はもちろん、腎機能低下と循環・代謝領域の疾患との関連性などについて、医療従事者への情報提供を充実させていく」方針を示している。
一方、大日本住友製薬は、主力の「アムロジン」(Ca拮抗薬)をはじめとする多様な降圧薬のラインアップで培ってきた医薬品情報提供活動を強みに、積極的な営業を展開する。
薬価は、50mg1錠80・10円、100mg1錠154・20円。売上目標は、初年度がイルベタン20億円、アバプロ30億円。ピーク時(8年後)は、両剤合算で4500500億円と見込む。大日本住友製薬では「少なくとも塩野義と同等以上売りたい」(同社広報)としている。
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