ノバルティスファーマは16日、経口鉄キレート剤「エクジェイド懸濁用錠125mg、同500mg」(一般名:デフェラシロクス)を新発売した(写真)。輸血による慢性鉄過剰症治療薬として、経口の鉄キレート剤は日本で初めて。
輸血による慢性鉄過剰症は、難治性貧血のために赤血球輸血を繰り返し行うことで、体内に過剰な鉄が蓄積して発症し、心不全や肝障害などの重篤な臓器障害を引き起こすリスクがある。
これまで慢性鉄過剰症の治療薬として、唯一「デスフェラール注射用500mg」を使用することができたが、連日の注射が必要となるため、多くが血小板や白血球減少を伴っている難治性貧血の患者にとって出血や感染症のリスクが避けられなかった。
今回、新発売されたエクジェイドは、1日1回経口投与の鉄キレート剤。既に世界約95カ国で発売されており、体内から過剰な鉄を排出させることで、輸血による慢性鉄過剰症の臓器障害リスクを低減し、生命予後の改善が期待できる。
用法・用量は、デフェラシロクスとして20mg/kgを1日1回、水100mL以上で用時懸濁し、空腹時に経口投与する。
薬価は、エクジェイド懸濁用錠125mgが1錠1161・60円、同500mgが1錠4624・30円。