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政府の「社会保障国民会議」(座長:吉川洋・東京大学大学院教授)は12日、今月にもまとめる中間報告で、診療報酬・介護報酬体系の見直しを求める方向となった。医療機関完結型から、地域全体の複数の施設で医療・介護を提供していく方向にある中で、現在の両報酬はそれらを適切に評価する体系になっておらず、根本的な見直しが必要としている。
12日の会合では、報告書の骨子をまとめた。高齢化に伴い増大する医療・介護の需要に対し、病院機能の効率化や地域ネットワークの構築、医療・介護を通じた専門職種間の役割分担の見直しのほか、レセプトオンライン化やデータベース化などのIT(情報技術)化の進展など、サービス提供体制の大胆な効率化・構造改革を行うことが必要とした。
しかし、医療機関・医療行為単位で評価する現行の診療報酬体系では、地域完結型の「一体となった医療機関群」が行う医療の提供を妨げているとの認識を示した。
さらに、在宅医療・介護を推進するにも、それらを支援する機能が必要で、中核となるケアマネジャーなど複数の職種との連携、家族支援、長期継続マネジメントなど、必要なサービスに対する評価体系がないことも指摘した。
これらを受け国民会議は、「報酬体系そのものの、基本骨格のあり方にさかのぼった検討が必要」と骨子に記述した。
そのほか骨子では、社会保障給付費の増大に対し、さらなる効率化の必要性を強調する一方で、「安定的な財源確保・継続的な資金投入が必要」とも指摘した。社会保障に対する財源配分を見直すべき時期でもあるとし、負担については国民の合意形成が必要だとした。
医療・介護サービスの財源確保については中間報告以降、引き続き検討していく。サービス保障(医療・介護・福祉)分科会が8月をメドに行う予定の医療費の将来推計などを踏まえて議論する。
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