関連検索: 自民党 科学技術創造立国推進調査会 医薬品庁 臨床研究
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自民党の科学技術創造立国推進調査会(会長:船田元氏)は5日、臨床研究の国際水準への引き上げ策を盛り込んだ「臨床研究強化戦略」をまとめた。臨床研究の推進戦略を策定し、施策を実施する司令塔として「健康研究推進会議」(仮称)を関係大臣らで新たに組織、さらに、新薬などの迅速な承認と安全対策の強化を図るため、厚生労働省から独立した「医薬品庁」(仮称)の創設などを求めている。同日、これら実現のための決議を行い、首相官邸や財務相、経済財政担当相も含む関係6大臣に申し入れることになった。
強化戦略は、調査会の下の「健康研究推進プロジェクトチーム」(座長:塩谷立氏)が検討してきた。国民の医療・健康の水準の引き上げや医薬品・医療機器など関係産業の国際競争力の強化のためには、基礎から臨床応用を図るトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)や臨床研究の実施支援体制が必要と指摘。「早急に実施する必要がある」七つの戦略を打ち出した。
強化戦略の両輪に位置づけられるのが、「健康研究推進会議」と「医薬品庁」の新設。臨床研究を活性化し、その成果をいち早く国民に提供するという流れを描いた。
「健康研究推進会議」の位置づけは、臨床研究の推進戦略策定や実施を指示する司令塔。各省バラバラの戦略に基づく予算要求を改め、国際的に見て国が支援すべき分野を定め、重点投資する。予算要求や予算の使用について統一的な取り組みができるようにしたい考えだ。科学技術担当、文部科学、厚生労働、経済産業の4大臣と有識者からなり、内閣府に設置する。
総合科学技術会議にも同様の機能が期待されているが、臨床研究の推進に特化した役割を持たせる。産業界の意見は「官民対話」を通じて吸い上げることを想定している。
調査会は、通常国会終了後にも具体化を検討し、2009年度予算から実施したいとしている。 一方、「医薬品庁」は、審査を医薬品医療機器総合機構が行い、承認を厚労省が行う現行体制が非効率との指摘もあることから、審査と承認審査を一体化してスピードアップを図りたい考え。担当官を増強し、承認審査に約550人、安全対策に約300人を配置することで、承認、安全対策の強化につなげる。
組織的には、「医薬品産業や医療政策全般を所管する厚労省とは距離を持って設置すべき」と、厚労省から独立させることを求めた。どこに設置するかは検討課題となっている。
調査会は、実施のための法案を来年の通常国会に提出したいとしている。
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