日本製薬工業協会がまとめた東証1部上場の製薬協加盟27社の2007年度決算概況によると、引き続き大手企業の好調な海外売上が牽引し、売上高は前年度比3・8%増の6兆8204億円、営業利益は2・5%増の1兆3714億円だった。
増収は21社、減収は6社。国内売上高は1・3%と微増にとどまったのに対し、海外売上高は9・1%と大きく伸長した。好調を維持する海外売上は、自社販売製品の売上増に、為替による増収効果が押し上げたものと見られ、海外売上高比率も1・7ポイント増の34・3%に高まった。
一方、国内売上を見ると、主力品の伸長が売上増の大きな要因となっているが、事業再構築などの特殊要因が影響したことを受け、全体ではわずかな伸びにとどまった。
営業利益は、増益15社、減益12社となった。上位13社が1・9%増にとどまったのに対し、逆に下位14社は14・6%増となった。これは、上位社が海外ベンチャー企業の買収やライセンス導入契約など、積極的な研究開発投資を行ったことが利益に影響したものと見られる。
また、研究開発費の積極投入に伴う販管費の増加等の影響は、営業利益率、経常利益率、当期純利益率のいずれもやや低下させる結果となった。
実際に、研究開発費は16・5%増の1兆1989億円と大幅な増加となった。
08年度の業績予想は、薬価改定や為替の影響を受けるものの、海外を中心に主力品の続伸で増収。経常利益と当期純利益は、引き続き研究開発費が増加し、二桁の減益が見込まれている。
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