伊藤ライフサイエンス(茨城県守谷市)が製造販売し、扶桑薬品が販売する「ミニヘパ注5000単位/10mL」(一般名:パルナパリンナトリウム)の原薬製造に用いた精製ヘパリン中から、本来入っていないはずの微量のヘパリン様物質が検出された。既に製品化されていたが、全ての製品は卸の倉庫に保管され医療現場には出回らなかった。伊藤ライフサイエンスは4月30日に自主回収した。
ヘパリン製剤を巡っては米国を中心に大量の副作用が発現し、因果関係は不明だが、その薬剤からヘパリン様物質が検出されており、厚生労働省は日本のメーカーに検査を指示していた。
自主回収となるロットはPQ112、113、121、122で、今年1月02月にかけ出荷された10万本余り。他のロットの製品には混入していないことを確認したという。
同社によると、原材料は中国産で、精製ヘパリンを低分子化、パルナパリン原薬への加工はアルゼンチンのメーカーが行っている。それを同社が輸入し、製造している。
異物を検出したのは昨年輸入したもので複数のロットから、4月中旬にNMR(核磁気共鳴)分析法によってで、キャピラリー電気泳動では確認できず、判断が難しいほどの微量だったという。
今後同社は、精製ヘパリン段階で送付されたサンプルをNMRでチェックし、問題なければ原薬製造にゴーサインを出すという形にするという。
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