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■内藤社長、今後の業容拡大に自信
エーザイは21日、2008年3月期連結決算を下方修正すると発表した。米国MGIファーマの買収によって、研究開発費が増加するためで、最終利益は従来予想の785億円の黒字から、175億円の赤字となる。東京文京区の本社で会見した内藤晴夫社長ら幹部は、修正内容を具体的に説明。MGIファーマ買収の影響がなければ、08年3月期の営業利益は前期比5%増、当期利益は同1%増で、実質は増収増益決算だったとした。また、内藤社長自身も「投資費用について16年までに回収できる見通しが立った」などと話すと共に、「米国における成長性が確保できた」とし、今後の業容拡大に自信を示した。
08年3月期の連結決算について、同社は従来7390億円、営業利益1170億円、経常利益1210億円、当期純利益785億円と公表していたが、同日の修正で、売上高7352億円、営業利益177億円、経常利益188億円、当期純利益175億円の赤字に下方修正した。米国MGIファーマの買収に伴うもので、MGIファーマの買収により、特定の研究活動の目的で利用されるインプロセスR&D(IPR&D)874億円を研究開発費として一括計上することによるもの。加えて、無形固定資産償却費(31億円)や棚卸資産評価アップ分25億円などの費用も今期に発生することになったため、大幅な下方修正になった。ただ、同社の説明では、MGIファーマ買収の影響がなければ、08年3月期の業績は売上高7352億円、営業利益1108億円、当期純利益は711億円だったとしている。09年3月期にはこうした影響はなくなるものの、のれん償却費として17億4400万ドルが発生するため、これを20年で償却するという。
なお、配当方針については、今回の修正要因が営業キャッシュフローに影響を与えないため、変更しない。
会見ではそれらの内容が具体的に説明されたが、内藤社長はMGIファーマの買収により、米国における基盤が強化されたと説明。特に研究開発分野におけるシナジー効果が大きいとしたほか、11年度までの中期計画「ドラマティック リーププラン」で想定した米国での営業体制も、今回の買収でほぼ整ったと指摘。これにより、米国における一層の成長性が確保できたと強調した。また、今回に関連する投資費用について内藤社長は、16年までに回収できる見通しができたことも明らかにした。
09年3月期の業績予想は、売上高8060億円(08年3月期予想比9・6%増)、営業利益930億円(425・4%増)、経常利益870億円(362・8%増)、当期純利益は560億円の黒字を見込んでいるが、詳細は5月の決算発表時に開示する予定。
- 【エーザイ】米バイオ企業MGIファーマを買収
2007年12月10日
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