創薬ベンチャーのメディシノバは8日、多発性硬化症治療薬「MN”166」の第II相試験を、良好な結果で終了したと発表した。同社は今後、ライセンス導出に向けた交渉を本格化し、年内には戦略的パートナーを確保した上で、大規模な第III相試験を開始する予定。早ければ、11年には承認申請に漕ぎ着けたい考えだ。
MN”166の第II相試験は、2年間にわたって実施されたもの。既に1年目の成績は昨年発表している。2年目の成績を見ると、MN”166の24カ月投与群では、12カ月投与群に比べ神経症状の進行が約50%減少した。また、1日60mg投与群とプラセボ群を比べたところ、第II相試験の1年目に見られた脳重量の損失が、2年目で明らかに減少していることが確認されている。
これら試験成績から、MN”166は神経保護作用を持ち、多発性硬化症患者の症状の悪化、障害の進行を遅らせる効果を持つことが裏付けられた。
MN”166の忍容性についても良好な結果が得られており、被験者の82・5%が24カ月の試験を完了している。一方、副作用としては、軽度な胃腸障害とうつが見られたが、いずれも一過性のものだったという。
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