■1位は新設の広島国際大学
厚生労働省は3日、「第93回薬剤師国家試験」の合格者を発表した。受験者数1万3773人(前回1万2112人)に対し合格者数は1万487人(前回9154人)。合格率は昨年とほぼ同水準の76・14%(前回75・58%)、新卒者の合格率も86・30%(前回85・60%)で前年並みだったが、合格者数が初めて1万人を突破した。厚労省は、受験者が増えたという要素もあるが、合格者が1万人を突破したことは特筆すべきこと」と話している。
また、2004年に薬学部が設置された、▽青森大学▽日本薬科大学▽城西国際大学▽千葉科学大学▽帝京平成大学▽武蔵野大学▽広島国際大学””の7校が初めて卒業生を輩出し、受験者は前年より1661人増加した。最も合格率が高かったのは広島国際大学の94・16%。合格率が9割を超えたのは、同校を含め摂南大学、神戸薬科大学、九州保健福祉大学、帝京平成大学の5校で昨年より3校増えた。
試験は3月8、9の両日、東京、大阪、愛知など全国8カ所で実施された。1万5565人の出願者がいたが、受験者は1万3773人で、出願者の約1割に当たる1792人が未受験だった。
合格者数を男女別に見ると、男性が受験者6141人に対し、合格者は4435人で合格率は72・22%(70・58%)、女性が受験者7632人に対し6052人で、79・30%(79・46%)だった。前回と比べると、男性で1・64ポイントとわずかに上昇したが、女性は同水準にとどまった。
「新卒」「その他」の区分で合格率をみると、新卒受験者1万0025人のうち、合格者は8652人で、合格率は86・30%(85・60%)。既卒者等その他は、3748人に対し1835人で、合格率は48・96%(49・05%)だった。
大学の設置主体別では、国立が受験者1653人に対し合格者が1191人で合格率は72・05%(69・16%)、公立が490人に対し373人で76・12%(74・33%)。私立が1万1615人に対し8920人で76・80%(76・72%)であった。例年通り、私立大学優勢の傾向が続いているが、国立大学の合格率が70%を超えるなど、国公立との差が縮小していることがうかがえる。
大学別の比較では、合格率が高かったのは、[1]広島国際大学(94・16%)[2]神戸薬科大学(91・41%)[3]摂南大学(91・15%)[4]帝京平成大学(90・07%)[5]九州保健福祉大学(90・00%)――であり、上位は私立大学が独占した。
合格率が低かった大学は、[1]第一薬大(32・60%)[2]日本薬科大学(51・65%)[3]東北大(56・80%)[4]京都大学(64・19%)[5]大阪大学(67・18%)――と続いている。例年通り国立大学が多くを占めた。
なお、厚労省は合格者発表と合わせ、国家試験の合格基準と正答も公表し、ホームページに掲載した。配点は1問2点で480点満点だが、▽問題の難易度を補正し、計算して得た総得点312点(65%)に対応する実際の総得点(試験ごとに異なる)以上の得点者▽各科目の得点が全て35%以上――という二つの条件を満たした者を合格とした。
また、基礎薬学の問19、医療薬学の問198で不適切な記載があり、正解となる選択肢がなかったため、全員を正解として採点した。
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