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独バイエルのヴェルナー・ヴェニング社長は21日、独シエーリング買収成功によって若干買収額が上回ったことを明らかにしたが、今回の統合による事業領域の補完などによって、支出の埋め合わせは十分に可能との認識を示した。
独バイエルは既に、シエーリング株の88%を取得したことを明らかにしている。全株式取得のため、1株89ユーロで6月23日から7月6日まで追加買い付けを実施するしている。残りの全株式を89ユーロで買い取った場合、165億ユーロを上回る約169億ユーロとなるという。
ヴェニング氏は、「今回の取り引き規模と長期的な重要性を考えた場合、追加支出は妥当と考えている」とコメント。事業領域の補完によって、支出の埋め合わせが可能なことから、「さらなる人員削減に関する議論は不要」と話している。
なお、シエーリングの執行取締役会長フーベルタス・アーレン氏は、今回の買収について、「ベルリンを本拠とする強力な世界規模の医療用医薬品の設立に道を拓くものだ」とコメントしている。
また、独バイエルヘルスケアの子会社として、設立予定の「バイエル・シエーリング・ファーマシューティカル社」の社長に、バイエルヘルスケアの経営委員会代表であるアーサー・ヒギンズ氏が社長職を兼務することを明らかにした。
ヒギンズ氏は04年に独バイエルヘルスケアに入社、同年代表に就任した。