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ドラッグストア大手のウエルシア関東(さいたま市、会長兼社長鈴木孝之氏)は14日、静岡県を地盤とする同業の高田薬局(静岡市、社長高田隆右氏)と、株式移転により共同持ち株会社を9月に設立し、経営統合すると発表した。ドラッグストア業界は市場が拡大する一方で、出店競争も加速しており、今後はスーパーやコンビニを初めとした異業種企業との競合が、さらに激しさを増すことも予想される。こうした中で、両社のノウハウや人材資源を共有することでシナジーを発揮し、競争力を高めることが狙い。ウエルシア関東では「地域の強固な地位を確保し、将来のドラッグストア業界において、存在感のある企業グループを目指していく」としている。
ウエルシア関東は、埼玉県を中心とした関東圏において、「ウエルシア」の店舗名で調剤併設型ドラッグストアの展開に力を入れている。売上高は870億円(07年2月期連結)、店舗数は2月末で297店舗。イオン・ウエルシア・ストアーズの関東における中核企業として、中長期目標として「売上高2000億円、500店舗」を掲げている。
一方の高田薬局は、売上高は295億円(07年9月期単体)、静岡県を中心にドラッグストア及び調剤薬局を98店舗展開している。地元のドラッグストア企業としては店舗数、業容ともトップクラスで、調剤を含めカウンセリングを重視した地域密着型の事業展開が特徴である。
新たに設立する共同持ち株会社(商号は未定)の社長には高田氏、会長には鈴木氏が就任の予定。株式については東京証券取引所に新規上場申請を行うが、上場日は共同持ち株会社設立の登記日である9月1日を予定している。なお、株式移転に伴ってウエルシア関東の株式は、8月26日で東証への上場が廃止される見込み。
ドラッグストア業界では、ツルハホールディングス、マツモトキヨシホールディングス、アライドハーツ・ホールディングスというように、大手企業が持ち株会社により、M&Aを含めたグループ力の強化を目指している。さらに富士薬品、スギ薬局など、地盤とするエリアを超えて、地域の有力企業を買収する動きも見られる。また来月1日には、セイジョーとセガミメディクスの両大手が、共同持ち株会社設立により経営統合する。
ウエルシア関東は、今回の経営統合に関し「持ち株会社を核とした手法は、さらなる業容拡大を目指す上で、柔軟な企業再編の機会を提供できる」としていることからも、今後のドラッグストア業界では、中堅も巻き込んだ再編が一層活発化してくる可能性が出てきた。
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