EFPIA(欧州製薬団体連合会)ジャパンは12日、日本と欧州とのワクチン・ギャップを解消するため、世界で標準的なワクチンによる疾病予防を日本においても実現することなどを柱としたポジションペーパーを策定した。EFPIAジャパンでは課題解決に向けて、このペーパーをもとに政府や関係者とも話し合いを行うなど、具体的な対話を始めていく方針だ。
ポジションペーパーは、▽ワクチン・ギャップ▽臨床、薬事および技術面に関するハーモナイゼーション▽ワクチン接種における政府の財政支援の必要性””の三つで構成される。
このうち、ワクチン・ギャップでは、小児や高齢者などを対象とするワクチンに関する日欧間のギャップを説明すると共に、「世界標準のワクチンをできるだけ早期に使用可能とすることで、日本と欧米とのワクチン・ギャップを解消するべき」と主張している。
また、臨床、薬事および技術面に関するハーモナイゼーションでは、日本のワクチンに関する規格を欧州、米国、世界保健機構(WHO)の規格と調和させる必要性を強調し、ワクチンの輸出入が自由に行えるようすべきと指摘した。
さらに、ワクチン接種における政府の財政支援の必要性に関しては、ワクチンが感染症予防とコスト削減に多大な影響を与えることから、日本国民のワクチン接種機会を増加させることを目的に、ワクチンの公費負担制度を充実させるべきと主張している。
EFPIAジャパンでは、麻しんの流行や新型インフルエンザ対策など、ワクチンに関する問題点が指摘されていることを踏まえ、政府や関係者との間でこうした点での対話を進めたい方針。話し合いを通じて解決策を探るだけでなく、ワクチンの果たす重要性についても理解を広げていきたいとしている。
また、厚生労働省が策定したワクチン産業ビジョンについても、EFPIAジャパンはその実現に向けて、積極的に協力していきたい考えだ。