独シエーリングの買収を進めていた独バイエルグループは20日、シエーリング株の88%を取得したことを明らかにし、買収が成功したと発表した。合併については、EUの委員会と米国の独占禁止関連の当局からは承認を得てているという。
両社の2005年の医療用薬事業の売上高を合算すると90億ユーロ以上となり、世界ランキングは15位以上になる見込み。
独バイエルは、今後バイエルが強化するオンコロジー領域では血液癌のリーダーであるほか、多発性硬化症治療への貢献、ホルモン避妊薬市場、造影剤でも世界的リーダーであることから、既存ビジネスを補完できる関係にあるとしている。
成長を牽引するものと期待される製品には、多発性硬化症に用いる「ベタフェロン」、経口避妊薬「ヤスミン」、造影剤「マグネビスト」などを挙げている。両社合わせた新薬候補も、PIIIで19、PIIで14、PIで17プロジェクトある。
独バイエルのヴェルナー・ヴェニング社長は、「このような広い層の株主の方々の支持を得ることができて嬉しく思う」とコメントし、全株式の取得を目指すことを表明。1株89ユーロで、6月23日07月6日まで追加買い付けを実施する。