試薬メーカーの東京化成工業は、埼玉県の深谷工場内にGMP治験用原薬・中間体・原薬新工場を竣工した。現在、バリデーション中で本稼働は9月を予定し、製薬企業向けに研究用試薬から動物実験用原薬、臨床グレードの治験用原薬まで一貫した生産体制を構築し、CDMOとしての基盤を強化する。製薬企業が開発を進めるペプチドなどの中分子医薬品では試薬でも実績があり、治験用原薬の受託製造を進めるほか、日本企業の海外進出支援、米国製薬企業向けの受注といったグローバル展開にも乗り出す。
同社は、有機合成試薬や材料科学、ライフサイエンス、糖鎖、分析など2万7000製品の試薬を提供している。今回、探索から原薬製造へと事業領域を川下に広げ、製薬企業や大学が行う医薬品の研究開発をワンストップで支援できるようにする。既にトロピカミドをはじめとした四つの原薬を年間400~1000kg以上製造した実績を持つが、今回治験用原薬専用工場を建設し、原薬受託製造事業に本格参入を果たすことになった。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。