バイオジェン・ジャパンの新社長に就任した鳥居慎一氏は、本紙のインタビューに応じ、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬として第III相試験実施中の抗アミロイド(A)β抗体「アデュカヌマブ」の開発成功に揺るぎない自信を示す。他社のAD治療薬の臨床試験失敗が相次ぐ中、「被験者選定では、われわれの基準が一番厳しい」とする他社の失敗事例を踏まえたAβ陽性患者のみを組み入れるプロトコルの設計により、適格性の高い早期AD患者の組み入れに成功しているほか、全国医療機関で「もの忘れ外来」で診療を受ける患者に対して、治験を薦めるアプローチを採用。一般者向けにも治験を啓発し、被験者候補者の裾野拡大に取り組んでいる。
AD治療薬の開発をめぐっては、アデュカヌマブと類似作用機序を持つ薬剤も含め、早期AD患者がターゲットとなっているが、製薬大手であっても失敗が相次ぎ、いまだに高い壁となっている。治験失敗の要因として、適格性の高い被験者の組み入れに苦労している現状が挙げられる。
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