ネットリサーチサービスのインターワイヤードが行った「特定健康診査・特定保健指導」調査によると、認知率は43.5%で、内容など詳細を知っている人となると、わずか6.6%にとどまる結果となった。また、この制度について最も知りたいことは、68.6%が「費用」と答えている。
調査は、メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病予防のための特定健康診査・特定保健指導が4月から実施されることを受けて、一般社会でどのように受け止められているかについて調べられた。同社の運営するネットリサーチ「DIMSDRIVE」の登録モニターを対象に1月下旬に実施され、9863人から回答があった。
成績によると、4月から始まる「特定健診・特定保健指導」の認知度は、「実施されることは知っていた」は36.9%だったが、「内容など、詳しく知っていた」は6.6%にとどまった。これらを合わせても、「知っていた」は43.5%と約4割で、認知が進んでいない結果となった。特に、内容など詳細を知っている人は極端に少なく、今後の対応が望まれそうだ。
認知率を性・年代別にみると、60代以上を除いた全ての年代で、女性よりも男性で「知っている」との回答が多く、男性で意識が高かった。また、男性については40代までは年代が上がるにつれて認知率が高くなり、40代以上では51%台と過半数を超えた。同様に、女性も年代が上がるにつれて認知率が高くなる傾向にあり、最も高い60代以上では54.1%だったが、最も低い10歳代では20.6%と2割にとどまった。
特定健診・特定保健指導について説明した上で、「知りたいと思うこと」を尋ねたところ、回答が最も多かったのは「費用について」で68.6%、以下「受けられる場所について」(45.9%)、「検査内容について」(45.7%)、「申し込み方について」(37.1%)、「お知らせ(案内)の時期・内容について」(34.1%)、「結果の通知について」(29.8%)と続いている。
さらに、特定健診・保健指導についての「具体的な疑問」や「思うこと」を自由回答形式で書いてもらったところ、1000以上もの疑問・意見が寄せられた。特に「疑問」では、▽対象年齢外でも受けられるのか▽本当に医療費の軽減につながるのか▽義務・強制なのか▽効果があるのか‐‐といったものが多かった。
意見としては、▽もっと若い世代からの方がよい▽もっと告知・PRをしてほしい▽メタボリックシンドロームの定義に疑問がある▽会社で受ける場合の配慮や心配について‐‐などが挙がっていたほか、「わからないことが多すぎる」といった意見も多く、一般市民に対する啓発が十分でない結果となっている。
特定検診・特定保健指導の主対象となるメタボリックシンドロームについては、回答者の16.0%が「自分はメタボだと思う」、32.6%が「予備軍だと思う」としており、約半数に上っている。「メタボ・メタボだと思う」という回答者で最も多かったのは40代男性で65.8%、次いで50代男性65.2%となっている。女性で最も多かったのは50代で48.3%だった。
「メタボ・メタボだと思う」と回答した人に、特定検診・特定保健指導を受けることによって、生活習慣をどの程度改善できると期待しているかについて聞いたところ、「かなり改善できると思う」は5.7%と低かったが、「ある程度改善できると思う」は45.1%と、改善効果を期待している人は合計して半数を超えた。ただ、「改善できない・しない」との回答者についてみると、「予備軍だと思う」では9.9%だったのに対し、「メタボだと思う」では17.3%と2倍の開きがあり、既に何らかの生活習慣病を抱えているケースでは、生活習慣の改善は難しいと考えている人が多いようだ。
- 特定保健指導に「薬剤師」も
2008年02月15日
- 【森下仁丹】100%出資の子会社を設立し特定保健指導事業に本格参入
2007年12月07日
- 【健康評価施設査定機構】特定健診・特定保健指導で、健診施設を「認定」へ
2007年07月26日
- 特定健診制度導入で簡便・迅速検査市場が拡大へ‐富士経済が予測
2007年06月27日