第一三共の中国現地法人「上海三共製品有限公司」は、中国での「医薬品経営許可証」を取得し、三共製品の輸入販売を直接できるようなった。日本で製造した注射剤の直接販売が可能になり、これまで通り現地代理店ルートも残すことで、製品戦略の幅を広げることになる。まず注射剤で抗癌剤「ニドラン」から取り扱いを近く始める。許可証の取得は、中国での外資系医薬品製造販売会社としては初めてだという。
中国では、現地自社生産したものを販売することになっており、そのため上海三共は、中国内に高脂血症治療薬「メバロチン錠」、消炎鎮痛薬「ロキソニン」などの固形製剤の製造拠点しか持っていないため、固形製剤のみを販売していた。注射剤は、現地の代理店を経由して輸入販売していた。
今回、6月12日に取得した「医薬品経営許可証」により、「親会社の化学薬製剤の卸売業務」が許可され、三共(将来的には第一三共)が製造する注射剤を、上海三共が直接輸入販売できるようになった。
中国ではまず「ニドラン」から取り扱いを始めるが、そのほかの注射剤の抗生物質「セフメタゾン」「カルベニン」といった製品群の直接販売は決まっていないという。代理店ルートも残し、今後、どういう形の流通、販売が最適かを判断していくことになる。
上海三共は、従業員は381人、うちMRは148人。2005年度売上高は約20億円だという。許可証取得による業績への影響は「なんとも言えない」としている。